情報誌『民家』の「民家の店、民家の宿」シリーズからの抜粋です。
昭和20年代の民家で十割蕎麦を
自然豊かな秩父山地に囲まれた市街地。住宅街の一角にある平屋を少しだけ改装して、十割手打蕎麦店「らぐりゅ」は2023年11月に開店しました。
今から3年前、都内在住だった店主ご夫妻は住居兼開業の場所を求めて移住を計画。多摩地域・青梅市を中心に物件探しをされている中、2022年10月、秩父郡小鹿野町での醸造体験時に「秩父」を勧められ、翌11月に「ちちぶ空き家バンク」で宮司さんの住居だったという、この建物に出会います。月末には初の内覧、翌年4月にJMRA(担当は亀屋工務店さん)での建物調査を実施。
建物の状態は良好で、和室や床の間、縁側などは大規模な改修なく、趣ある飲食のスペースとして利用されています。
敷地内にある製粉室で玄蕎麦の殻を剥き石臼でゆっくりと製粉。お庭を眺めながら落ち着いた空間で、しっかりとした蕎麦の風味、香り、コシを楽しむことができます。(東京都・正会員 Y.Y.)
住所 | 埼玉県秩父市上野町24-21 |
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電話 | なし 予約は受けていません。 |
アクセス | 秩父鉄道/秩父駅より徒歩約6分 西武鉄道/西武秩父駅より徒歩約11分 |
営業 | 月・火・水・金(11:30~15:00) 土・祝日(11:30~16:00) |
定休日 | 木曜日・日曜日 |
https://www.instagram.com/la_goulue_chichibu/ |
静岡県浜松駅から車で約1時間、火防の神様として知られる秋葉神社の下社から上社に至る静かな参道を少し上り、小川にかかる赤い橋を渡ったところに「まろや」があります。
大正14年に建てられたこの日本家屋は、もとは林業を営んでいた山主さんの自邸でした。
20年以上空き家でしたが、オーナーの三須夫妻が2018 年から再生に取り組み、現在は母屋を喫茶・民泊・レンタルスペースとして活用しています。
当初は「ここに住みたい」という思いから、東京の住まいと往復しながらほぼDIYで改修。次第に母屋を他の人に使ってもらうようになり、現在は宿泊のほか、CM 撮影や結婚式で利用されることもあるそうです
。
建物には秋葉山から切り出した木材がふんだんに用いられています。天井や壁や建具など、いたるところに美しく浮かび上がる杢目が見られました。
建物の中で過ごしていると、携わった人たちが地元の木や山を愛し、余すところなく丁寧にあつかい、この家という形になった道のりが思い浮かびます。
食事は基本は自炊で、広い台所にある可愛いオレンジの竈かまどを使って炊き立てのご飯を楽しむこともできます。また、ジビエなど地元食材を使ったケータリングも利用できます。
床の間などには家の周囲のお花が活けられてあり、建物と美しく調和していました。
ぜひ「まろや」に足をはこび、自然とともにゆったりと過ごす時間の豊かさを感じてみてください。(東京都・友の会会員 N.N.)
住所 | 静岡県浜松市天竜区春野町領家907 |
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電話 | 053-568-0814 |
アクセス | 天竜二俣駅から車で約26分(150m) |
営業 | チェックイン 15:00(最終21:00) チェックアウト 11:00 |
定休日 | 不定休 |
https://www.insutagram.com/akihasakasira_maroya/ |
JR 松山駅前駅から伊予鉄環状線の路面電車で約30分。道後温泉駅に到着します。電車を降りるとすぐにアーケード型の商店街「道後ハイカラ通り」が見えてきます。道後ハイカラ通りは明治期に改築されており現在では約60の商店が軒を並べています。
「道後の町屋」はその商店街にある大正末期の旧郵便局舎と局長宅を改装した建物です。敷地は2間半(4・5m)の間口、奥行き27間(49m)の細長い形状。戦前に固定資産税を間口で算定した名残が見られます。建物は、敷地に合わせた形で商店街に面して旧郵便局舎、奥に局長宅があり、両棟は石畳でできた通り庭でつながっています。
局長宅だった奥座敷には縁側の先に庭があり、四季折々の風情を楽しむことができます。室内には蔵出しされた和道具が飾られており、当時の生活に思いを馳せる空間となっています。
メニューは「じゃこ天バーガー」や「湯之町バーガー」、ケーキや季節のオススメがあります。飲み物とセットでぜひどうぞ。(東京都・正会員 Y.Y.)
住所 | 愛媛県松山市道後湯之町14-26 |
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電話 | 089-986-8886 |
アクセス | 道後温泉駅より徒歩約2分(150m) |
営業 | 10:00~21:00 (フードストップ20:00 ドリンクストップ20:30)(ディナー) |
定休日 | 火曜日・水曜日(祝日は営業、翌日休み) |
https://www.dogonomachiya.com/ |
築50年ほどの農家住宅を改装したアプテカ(直売所)とフレーゴ(農家レストラン)は、世界遺産となった新しん原ばる・奴ぬ や山ま 古墳群や、漁業や塩田で栄えた津屋崎千軒など、歴史的な風景を多く残す津屋崎地域の、畑が広がる風景の中にあります。
オーナーのシルビオさんと愛さんのご夫婦が農業を始めたのは、15年ほど前のこと。料理人のシルビオさんは、日本に来た当初はレストランで働きながら農業を始め、そのうち農業に専念するようになりました。そして自分たちが作った野菜などを販売するショップを始め、この建物に出会い、念願の自分のレストランをオープンしました。
レストランを開きたいと考えながらも自分が使いたいイタリア野菜を作るために、まずは農家になるという選択にシルビオさん夫婦のこだわりがはっきりと表れています。
何年間も探してやっと出会ったこの建物は、津屋崎生まれの愛さんが幼いころから「おばあちゃん」と呼んでいた顔見知りの方の家だったそうで、とても深い縁を感じたそうです。間取り変更や内装デザイン、リフォームのための解体から施工まで、ほとんどのことを自分たちでやたという店内は、シルビオさんが思い描いていた日本の民家とヨーロッパの雰囲気を融合させた他にはないユニークな空間になっています。
DIYでの改装は今でも続いており、アプテカの販売スペースも1年ほど前に完成したばかりです。楽しそうに次の改装の構想を話すお二人の姿を見て、この家を建てたおばあちゃんが喜んでいる顔が見えるような気がしました。
(福岡県・正会員 T.I.)
住所 | 福岡県福津市渡153 |
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電話 | 090-39-3650(フレーゴ) |
営業 | ランチ・カフェ:11:30~14:00(ランチ)、14:30~17:00(カフェ) ディナー:土曜日のみ18:30~21:30(ディナー) |
定休日 | 月曜、第一火曜 |
東北道の加須IC(埼玉)をおりて、のどかな田畑の中を車で進んでいくと昔ながらの塀に囲まれた農業生産法人誠農社と、そこに佇む古民家カフェ「繭久里(くくり)」が現われます。
外観はどこか懐かしい田舎の農家さんの家そのものですが、中に入ると奥行きが感じられる明るいカフェ空間が広がります。
コンセプトは「大地と人と繋がるカフェ」。内装には無垢材や漆喰など天然素材が使用されていて、裸足でも上がれる快適さ。母屋は100年以上前の「繭まゆ小屋」(※ギリシャ語で繭のことをcucuriという)を再生活用したものです。
所在する誠農社や地域の農家による無農薬や漢方農法、自然栽培、といった大地と人に優しい食材を取り入れた料理が楽しめて大満足、「次に来るときは、あれを食べてみよう…」とリピーターになること間違いなし。店内のショップには漢方農法米(玄米も!)やオーガニック食材と地元野菜やお米(玄米も!)などが所狭しと陳列されていて、買い物も楽しめます。
また、農園には宿泊施設やキャンプ施設もあり、カフェの2階のイベントスペースでは、ヨガ教室、朝ピラティス、なども行われていて地域の交流の場となっています。(栃木県・正会員 T.S)
住所 | 埼玉県加須市油井ケ島1393番地1 |
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電話 | 080-3204-9961 |
定休日 | 水曜日 |
営業時間 | 朝のカフェタイム 8:00~11:00 ランチタム(平日)11:30~15:00 ランチタム(土日祝)11:30~16:30 ディナータイム(※予約制)18:00~22:00 |
メニュー、予約 | 下記ホームページをご覧ください。 |
HP | https://park.ethicalgp.com/cucuricafe/ |