民家の店・宿 民家の店・宿

民家の店・宿

情報誌『民家』の「民家の店、民家の宿」シリーズからの抜粋です。

  • 長野/洋食屋「La.Lumiere」

    情報誌『民家』121号

    築約100年の蔵を改装、フランス料理をベースにしている洋食屋さんです。オーナーシェフの小池さんは、10年間、長野県軽井沢町で飲食の仕事に携わった経験を生かし、9年前に地元長野市に戻り2020年10月にお店をオープンされました。
    料理には長野市街地から約12㎞北西にある飯綱高原の自家菜園で採れた手づくり野菜を使用しています。
    店舗として改装したのは、米や肥料を貯蔵する蔵。天井が高く広々とした空間が特徴です。建物は土台部分に石を2段積み上げた構造で、これは近くを流れる川が氾濫した場合に備え、水に浸かることを考慮したつくりとのこと。蔵戸や2階に上がる階段もtとうじのまま残し、外観もあまり手を加えず当初の趣のまま路地の景観の一部となっています。
     レストラン入り口にはお花屋さんが併設されており、色彩豊かな花がシンプルな蔵の空間を飾っています。
    JR長野駅から徒歩10分。大通りから1本入ったお店のある路地にはところどころ明治・大正・昭和期の名残もみられます。 この春、町並みの散策を兼ねて信州の旬の野菜を召し上がってはいかがでしょうか。(東京都 正会員Y.Y.)

    住所 長野県長野市大字南長野新田町1541
    電話 026-217-1487
    メニュー おすすめ:季節ごとのプレートランチ
    定休 日曜日・第1.3月曜日(祝日営業)

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    情報誌『民家』121号
  • 佐賀/陶器ギャラリ「gallery KAI」、カフェ「cafe Reed」

    情報誌『民家』121号

     伊万里市南波多町の里山、美しい日本の原風景が残る唐津の谷合にひっそりと佇む「櫨ノ谷窯」。
     ここの窯主は、親子二世代で砂岩を原料とする古唐津の製法の再現を確立し、業界の先駆けとなった吉野敬子さん(父は故・由野魁氏)、この地で作陶や個展活動のかたわら先祖伝来の田畑で自然農法を行う「半農半陶」を営んでいます。吉野さんのもとには関東など日本各地から半農半陶  ここを訪れて、まず目に入るのは、美しく手入れされた主屋の葺ぶき屋根で、古民家ファンの気持は昂ります。 主屋は吉野さんの作品がずらりとならぶ陶器ギャラリー「gallery KAI」。畳部屋に座ってひとつひとつ手に取って唐津焼独特のざらっと心地よい感触を楽しむことができます。
     そして隣接する「café Reed」は2018年にクラウドファンディングで牛小屋をリノベーションしたもの。週末限定の営業で、自家焙煎珈琲と地元のオーガニック野菜や果物で作った極上スイーツを吉野さんの器でのんびりと味わうことができます(手作りジャムも絶品!)。このカフェは里山で暮らす人びとと訪れた人びととの貴重な交流の場にもなっています。(栃木県 T.S.)

    <櫨の谷窯>

    住所 佐賀県伊万里市南波多町高瀬767
    電話 0955-24-2025

    <gallery KAI>

    営業時間 12:00~18:00※平日のギャラリー見学の場合は要連絡
    定休 不定休

    <cafe Reed>

    営業時間 12:00~18:00(土日のみ営業)
    定休日 平日(土日のみ営業)

    情報誌『民家』121号
  • 京都/茶房「O間-MA-」

     世界遺産「東寺}のすぐ近くに、大正末期に建てられた地区100年の京町屋が残されています。建築当時、家主は炭問屋を営んでおり、離れの和室など、こだわりや想いが随所に感じられます。
     その歴史を今に引き継ぐのは、店主でデザイナーの酒井俊明さん。「茶の湯の考えで現代生活における和建築の在り方を構築すべく〝継ぐ〟をコンセプトにした空間をデザインしています。近代住宅へと改装されていた意匠を建築当時に戻してから今の姿へと再構築し、リノベーションも自ら施しました」との言葉通り、味わいある土壁や壁一面の建具などを目にすることができます。圧巻の茶房は、高さ7・4mある空間と長さ8mある天井梁に目が奪われます
     茶房では日本各地で選定された100 種類を超える日本茶が楽しめます。日常とは違ったお茶の深みと楽しさを味わえるのも京都ならではです。和菓子店「いと達」と考案したお茶漬け菓子「茶妙(さみょう)」。3種類の一つ襄陽饅頭は糖度20%とごく控えめな甘さのあんこのお菓子、それに玉露を注ぎ、茶とともに変化する味を体験することができます。
     坪庭を介した離れの和室では茶事や茶道体験も催され、歴史ある町屋で現代の日本文化を味わうことができるお店です。 (京都府 H.t)

    住所 京都府京都市西区九条比永城町59
    電話 075-748-6198(予約優先)
    営業時間 11:00~17:00
    定休日 水曜日
    メニュー 100種類以上から選べる日本茶:1,000円~(税込み)
    茶味比べ(日本茶飲み比べ3種類~):2,500円~
    お茶漬け菓子「茶妙」(全3種):1,300円
    HP https://Oma.jp
     

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  • 神奈川/甘未処「無心庵」

    古都鎌倉、江ノ電和田塚駅の正面に、無 心庵がある。駅の正面にあるといえど、店に入るには踏切のない線路を渡らねばならない。どうやら江ノ電は、もともとあった民家をかき分けるようにして敷かれたらしい。歴史ある門構えとこの不思議な甘味処に、日々多様な世代が足を運ぶ。店を構えたのは、3代目オーナーである佐藤さんの祖母。佐藤さんが11歳だった30年前に自宅を店にした。建物自体は釘を1本も使っていない築約100 年のもので、開店時にはあまり手を加えず、テーブルや座布団をそろえたくらいだったという。現在は奥さんと2人で経営をしており、メニュも代々受け継いできたこだわりのものを用い「自然体」で営んでいるとのことだ。お客様の呼び込みもインスタグラムとホームページ以外では行っておらず、まさに「自然体」で商いを楽しんでいる方である。 メニューはゴールデンウイークと月初旬を目途に変更し、新要素の導入や、お客様に合わせたメニュー変更にも取り組んでいる。 そんな佐藤さんの古民家への思いも、また「自然体」であった。店はだけであって、「古民家だから」という概念は持っていないのだそうだ。だからこそ、民家の解体が進む古都鎌倉での現状には「もったいない」と声をこぼしていた。民家の維持にはお金と労力がかかるのは確かだが、一度壊されたら元には戻せない現代日本の民家の現状を嘆いているようであった。コロナによる緊急事態宣言により何度も休業を強いられた「無心庵」。「自然体」にこだわりぬき、他のどこでも体験することができないこの店に、客足が戻ることを願う。(神奈川県・正会員 塩崎 陸)

    住所 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3丁目2-13
    電話 0467-23-0850
    定休 木曜日(祝日営業)
    メニュー 冬季限定:田舎汁粉(850円)、あんころ餅(900円)、あつあつ白玉きな粉(750円)
    HP https://mushinan.chobi.net

  • 佐賀/日本料理「あるところ」

     佐賀県・唐津市街から松浦川を渡って鏡山の麓へ続く田舎道を上っていく途中、うっかりすると見落としてしまいそうな店の立て看板に導かれ脇道を入っていくと、目の前に実に堂々とした佇まいの古民家があらわれます。
     ここは、知る人ぞ知る人気の日本料理店「あるところ」。唐津の海と里山の幸を、焼き魚、青菜のお浸し、おむすびといった和食の原型のようなシンプルなかたちでいただくことができます。食材のおいしさを最大限に引き出すのは店主・平河直さん。自らの手で改修した築130年の古民家は、細部に至るまで土壁で仕上げられ、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。特に目を引くのは、あえて昔ながらのスタイルにこだわった台所で、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。
     竈で炊く白米の香り、立ち上がる湯気、店主が奏でる包丁の音色…店内では、その丁寧な仕事ぶりを五感で楽しむことができます。季節の料理をよりいっそうひきたてる器は、店主が一品ごとに選りすぐった唐津焼。料理をいただいた後にも、器を愛でるもう一つの楽しみがあります。ぜひ、一年を通して四季折々の料理を楽しみたいお店です。
    (栃木県・正会員 T.S)

    住所 佐賀県唐津市鏡732
    電話 0955-58-8898
    営業時間 昼11:00~15:00 夜17:00~22:00
    不定休
    メニュー 昼のコース 5,000円(税込み)
    夜のコース 10,000円(税込み)
    HP http://arutokoro.com