情報誌『民家』の「民家の店、民家の宿」シリーズからの抜粋です。

●一目惚れした民家と蔵でカフェと宿をオープン
長野市と上田市の中間都市、日本遺産「月の都」千曲市。2025年1月にオープンした「シカジカ」は、古くから“おはちまんさん”として栄えた集落の街道沿いにあります。オーナーは、この建物に惚れ込んで東京から信州に来られた村瀬朋子さん。内装業をしているご主人と共に、この大きな建物と徹底的に向き合う納得のいく仕様でリノベーションしたそうです。
「築126年です」というオーナーの言葉、そして大きな屋根を支える躯体の力強さに圧倒されながら、歴史の年輪を重ねた室内を拝見させていただきました。
決して便利とはいえないこの場所に、客席数30のカフェ、宿泊施設として別棟の一棟貸しの蔵、開放感のあるサウナが併設されています。
昼はランチメニューの「シカジカごはん」「シルクロードvegan
プレート」の2種類と飲み物。夜は薪ストーブのある落ち着いた土間空間で、県内外のクラフトビール、ナチュラルワイン、伝統製法の日本酒も用意され、渋い大人の味わいを楽しめます。(長野県・友の会会員 K.Y.)
| 住所 | 長野県千曲市八幡170-1 |
|---|---|
| 電話 | 080-7065-1871 |
| アクセス | しなの鉄道「屋代駅」から車で10分 |
| 営業 | cafe11:00~16:00 bar18:00~22:00 |
| 定休日 | 水曜日・木曜日 |
| 一棟貸予約 | beds24.com/book-shikajikahotel |
| Insutagram | shikajika.nagano |


●千葉・鴨川の里山の古民家で思い思いの時を過ごす
千葉県鴨川市の山間にある釜沼集落に佇む「古民家したさん」は、元村長の古民家を丁寧に再生した宿泊も可能なコモンスペースです。周囲には、雨水だけで米を育てる天てん水すい棚田が広がり、茅葺きの家や炭焼き小屋が点在するなど、昔ながらの里山の暮らしがいまもそっと息づいています。東京から2時間足らずで訪れられるとは思えないほど、穏やかな時間と自然の気配に包まれる空間です。| 住所 | 千葉県鴨川釡釜沼1009 |
|---|---|
| アクセス | 車:館山自動車道「鋸南保田IC]より約25分 バス:鴨川日東バス「大山千枚田」下車すぐ |
| 利用料 | Aプラン 24,000円+4,000円×人数+清掃料12,000円 Bプラン 半日15,000円+清掃料7,500円 Bプラン 研修コ*ーディネート料100,000円~+施設利用料 |
| HP | https://small-earth.org/ |

●埼玉県から移築したゲストハウス
この建物は、大正12年に建てられた埼玉県美里町の養蚕農家でしたが、神奈川県に移築して2025年3月にゲストハウスとしてオープンしました。柱や梁、建具などが再利用されています。
1階は土間ホール、奥に自炊用の台所、四間取り手前二間を板間広間、奥二間を畳の間、縁側で構成されています。土間ホールの式台から2階へ上るとラウンジ、客室4部屋(8畳、6畳、4.5畳×2)、シャワー室、洗面所、トイレがあります。
●思い思いの場所で過ごせる家のような宿
土間ホールは一部吹抜けになっており、たたき仕上の明るく開放的な空間です。ダイニングテーブルとカウンターがあり、カフェバーや台所で自分たちが調理した食事を楽しめる空間になっています。二間続きの板間の広間では人が集まることもでき、ヨガや軽い運動ができます。縁側は庭の景色を眺めたり日向ぼっこできる明るい場所です。2階のラウンジは高窓に吹抜け勾配天井の広々とした空間で、南西側の開口からは早雲山が一望でき、四季折々の箱根の豊かな自然の風景を楽しむことができます。客室すべてがソファのあるラウンジに面しており、宿泊客がくつろぎ交流できる場所となっています。古民家の雰囲気を体験できる、特別なゲストハウスです。 (奈良県・正会員 S.N.)
| 住所 | 神奈川県足柄下郡箱根町宮城野311 |
|---|---|
| アクセス | 箱根登山バス「宮城野案内所」徒歩7分 |
| 宿泊料金 | サボテン:1人6,500円 2人10,500円 太陽:1人9,500円 2人13,500円 3人17,500円 *2025年8月現在オープンは、上記2部屋 |
| 時間 | チェックイン15:00 / チェックアウト10:00 |
| HP | https://www.instagram.com/elcantonhakone/ |


広島県三原市は、1567年に築城された三原城の城跡が残る城下町です。三原城の北側には西国街道が京都から九州まで東西に続いており、街道沿いには商家が建ち並んでいた名残が伺えます。 広島県三原市は、1567年に築城された三原城の城跡が残る城下町です。三原城の北側には西国街道が京都から九州まで東西に続いており、街道沿いには商家が建ち並んでいた名残が伺えます。
その街道沿いに築約100年の木造2階建て「旧山脇邸」は大正末期に豪商の建物として、その後昭和39年まで銀行として使用されていました。近年ではレストラン営業もされていましたが、約1年の空き店舗期間を経て2023年9月に1階はミホラ、2階はコワーキングスペースaricaとしてリニューアルオープンされました。ミホラでは地元特産物の販売やカフェが展開されています。床板や欄間、板戸など当時のものをそのまま残し、豪商建物の風格を楽しめる空間です。2階aricaは梁桁がみえる天井が高く広々とした空間と和室があります。コワーキングやレンタルスペースとして利活用されており、利用者による新たな関係性創出の場となっています。
このエリアは広島県の魅力ある「まちなみづくり」支援事業のモデル地区として、賑わいのある街道再生や地区の魅力と回遊性の向上により地域活性化が進んでいます。その土地の歴史ある建物がシンボルマークとなって人が集い、交流や新たな出会い、発見が生み出されている「また訪れたい」素敵な場所です。(東京都・正会員 Y.Y.)
| 住所 | 広島県三原市本町1-7-29 |
|---|---|
| アクセス | JR三原駅より徒歩約5分 駐車場17台、駐輪場あり |
| ■1階 西国街道の駅ミホラ(mihola) | |
| 電話 | 0848-36-5415 |
| 営業時間 | 物販:9:00~17:00 飲食:11:00~17:00(LO.16:30) |
| 定休日 | 毎週火曜日、年末年始 |
| URL | https://www.mihola.co.jp |
| ■2階 コワーキングスペースarica | |
| 電話 | 0848-38-2253 |
| 営業時間 | 9:00~18:00 |
| 定休日 | 不定休、年末年始 |
| URL | https://arica-mihara.com |

「鎌倉 北橋」(旧加賀谷邸)は旧前田侯爵家の別邸である鎌倉文学館、鎌倉市⾧谷子ども会館になったこともある旧諸戸邸の至近にある。
旧加賀谷邸は施工、築年が明らかではないが、おそらく大正期と考えられる。元家主の加賀谷氏が東京の不動産業者に売却し、約5年前に不動産業者が店子を募集。下北沢で打心蕎庵にて料理⾧を務めていた北橋氏が店子と決まった。
加賀谷邸の利用にはその所在地が第一種低層住居専用地域内のため、その利用に住宅兼用でかつ店舗部分が50㎡以下の制限があった。この面積制限を現店舗面積150㎡弱に近づけるため、「鎌倉市歴史的建築物の保存および活用に関する条例」により建築基準法の適用を除外し保存活用を図ることとした。
地域のランドマークとなっている洋館部分のドイツ下見張りのある外観やマントルピース、和風建築の主屋の簓子張りと漆喰壁、和室は床の間・飾り棚の構成維持や土壁仕上げなどを保存し、近隣住民、鎌倉市、建築専門委員、景観審議会、建築審査会などのコンセンサスを得ながら工事を進めたため、コロナ禍の影響もある中、竣工まで5年近い歳月を費やした。
現在建物の洋館部分はカフェ、日本家屋部分は蕎麦店に分けられている。蕎麦は農家から買い付け自家製粉し提供。蕎麦は二種、三種を一度に楽しめる産地違いの食べ比べがお勧めだ。天ぷらも絶品で、サクサクとした軽い食べ心地だ。カフェの方は水出しコーヒーのほかに、自作のジンジャー系ドリンクやラテなどが美味しい。新しい鎌倉の名所になる予感がする。(神奈川県・正会員 M.H.)
| 住所 | 神奈川県鎌倉市長谷1丁目11-32 |
|---|---|
| 電話 | 0467-84-9662 |
| アクセス | 長谷駅徒歩約6分、鎌倉駅徒歩21分 |
| 営業 | 蕎麦11:00~20:30/カフェ9:00~17:00 ※月曜日は17:00まで |
| 定休日 | 火曜日 |
| 店舗のHP | https://kamakura-kitahashi.com/ |
| 旧加賀谷邸のHP | https://kagayatei.com/ |
