民家の店・宿 民家の店・宿

民家の店・宿(山梨)

  • 山梨/イタリアンレストラン「Kaikoma kitchen」

    情報誌『民家』123号
      

    東京生まれの安田貞和さんと由美さんのご夫婦が、甲斐駒ケ岳の美しさに惹かれ山梨県北杜市で移住生活を送るなか、2020年1月にオープンさせたのがこの「Kaikomakitchen」です。
     お店は、季節感を大切にした地元の旬食材を使った地産地消型レストランです。
     小さな集落にポツンとできた素敵な一軒家は、私が勤める山翠舎で設計・施工を担当させていただきました。
     木造平屋建て約15坪の新築建物の内外装に古木が装飾材として使われています。新しい中に、どこか懐かしい暖かさを感じる、地域の人びとに長く愛される空間デザインを目指しました。エントランスに入ると古木を配したホールのような空間が出迎えます。また、お客様との距離感やライブ感を大切にしたい想いから、オープンキッチンにしています
    。  客席壁面にあるパネルは、店名の由来でもある甲斐駒ヶ岳をモチーフにしたデザイン。打ち合わせで「甲斐駒ケ岳を2人で眺めながら、いつかレストランを開いたらKaikomakitchenにしようねと話していたんです」という言葉から着想を得てデザイン・製作しました。2人の想いと、古木独特の温かさが詰まった、ここにしかない古木のアートパネルとなりました。
     東京で5年で時代遅れといわれるソフトエンジニアの世界で暮らす中、〝自然豊かな田舎で暮らしたい〟と2人の夢を抱え辿り着いたのがこの場所です。「この地で古木のように何年経っても役に立つ存在に時間がかかっても自分はなりたい」と、お店の将来と生き方を含めて抱負をくれました。
     人が心地良いと思える空間。そのは、オーナーの人柄と不可分になっているように感じました。北杜市へ行く際には、みなさんもぜひ、訪ねてみてください。 (長野県・正会員 K.T)

    住所 山梨県北杜市白州町下教来石7-1
    電話 0551-45-6825
    ランチ 11:30~14:00(L.O.13:30)
    部屋ディナー 土曜日のみ、前日15:00までに予約
    定休日 第1と第3火曜、毎週水曜と木曜
    HP https://www.insutagram.com/kaikomakitchen/

    情報誌『民家』123号
  • 山梨/宿「ワイン民宿 鈴木園」

    情報誌『民家』123号

    旧甲州街道勝沼宿は江戸前期に開設された宿場町で、甲州盆地の江戸からの入口にあたり、往時は本陣1軒、脇本陣2軒、問屋場1軒、旅籠23軒があり栄えました。残念ながら現在は街道沿いにその面影は少なく、葡萄畑と販売所が目立ちます。
     当宿は周囲の町並みとはひと味違う風情の落ち着いた佇まいで、街道沿いに黒板塀が設けられた内の木立の奥にひっそりと建っています。料亭かと感じさせる雰囲気があり、かといって構えず地味な造りです。駐車場もさりげなく配置れ、目立たなさは徹底しています。
     塀の中ほどに切られた入口の奥正面がフロント棟の主屋でラウンジ兼レストランが設けら南斜面をうまく生かした地下に小さな資料展示室が設けられています。
     南奥に蔵を改装した2階建てに4室、カツラの大木とカリンの樹のある中庭を挟んで街道側に平屋建ての3室の計7室のこぢんまりした宿です。蔵の前に設けられた葡萄棚の下のデッキテラスから眺める葡萄畑の広がる景色も心地良いです。
     建物は、大正から昭和にかけて法学者として、また戦後衆議院議長や国務大臣として活躍した樋貝詮三氏の生家を改装し、宿泊棟としています。宿は1983年に創業し、来年で40年とのこと。内部は19世紀建築の古民家にアンティーク家具をしつらえた、和洋折衷様式で落ちつきます。
     B&Bのホテル形式で朝食が美味しいと評判で、スタッフの落ち着いた温かい応対も気持ちよく、リピーターが多いのもうなずけます。(東京都・正会員 M.A)

    住所 山梨県甲州市勝沼町勝沼3284
    電話 0553-39-8522
    宿泊 1泊朝食付 大人5,000円~、小人4,500円~(税抜)
    部屋 7室 駐車場 9台(無料)
    駐車場 9台(無料)

    情報誌『民家』123号