「自信のあるものを売るから力が入る」と話すのは明治2年創業、丸岡味噌麹製造所の店主・丸岡
敦子さん。むろを使う昔ながらの製法をかたくなに守っており、店に並んでいる味噌や塩麹は、すべて一から手作りされたものばかりです。季節によって扱い方が違うのも麹が生きているからこそごまかしのない、正直なお店です。「材料から作り方、料理のコツまで、何でもお教えします」と、笑顔で話してくださいました。
こちらの甘酒は、砂糖や生姜は入れずに、自家製の麹とお米だけの仕込みで作られており、さわやかな甘さが口の中に広がります。健康の秘訣でもあるお味噌汁や甘酒を毎日飲でいるという丸岡さんは、なるほど大変お元気で、お溌溂としていらっしゃいました。
ある時、自家製味噌の美味しさ、手仕事の大切さを伝えようと一念発起。店舗の一角、使われていなかった「麹室」をひとつ改修して手作り味噌教室を始めました。改修された店内には、桶の蓋を使った陳列棚や、大きな布団箪笥の机など、歴史が見えるほどに使い込まれた道具たちが、お店のインテリアとして生まれ変わっています。また、改修部分のには地元の古材ショップ「古木里庫」(JMRA古材ネットワーク)の丸太材を使用。入り口の目を引く取手は、丸岡さんが麹作りで毎日使うしゃもじ型を特注されたそうです。
歴史の染み込んだお店、お話し上手な丸岡さんのあたたかい雰囲気に包まれた空間で、本物の味がする商品たちを手にとってみてください。(香川県・正会員 M.K.)