東京生まれの安田貞和さんと由美さんのご夫婦が、甲斐駒ケ岳の美しさに惹かれ山梨県北杜市で移住生活を送るなか、2020年1月にオープンさせたのがこの「Kaikomakitchen」です。
お店は、季節感を大切にした地元の旬食材を使った地産地消型レストランです。
小さな集落にポツンとできた素敵な一軒家は、私が勤める山翠舎で設計・施工を担当させていただきました。
木造平屋建て約15坪の新築建物の内外装に古木が装飾材として使われています。新しい中に、どこか懐かしい暖かさを感じる、地域の人びとに長く愛される空間デザインを目指しました。エントランスに入ると古木を配したホールのような空間が出迎えます。また、お客様との距離感やライブ感を大切にしたい想いから、オープンキッチンにしています
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客席壁面にあるパネルは、店名の由来でもある甲斐駒ヶ岳をモチーフにしたデザイン。打ち合わせで「甲斐駒ケ岳を2人で眺めながら、いつかレストランを開いたらKaikomakitchenにしようねと話していたんです」という言葉から着想を得てデザイン・製作しました。2人の想いと、古木独特の温かさが詰まった、ここにしかない古木のアートパネルとなりました。
東京で5年で時代遅れといわれるソフトエンジニアの世界で暮らす中、〝自然豊かな田舎で暮らしたい〟と2人の夢を抱え辿り着いたのがこの場所です。「この地で古木のように何年経っても役に立つ存在に時間がかかっても自分はなりたい」と、お店の将来と生き方を含めて抱負をくれました。
人が心地良いと思える空間。そのは、オーナーの人柄と不可分になっているように感じました。北杜市へ行く際には、みなさんもぜひ、訪ねてみてください。 (長野県・正会員 K.T)
住所 | 山梨県北杜市白州町下教来石7-1 |
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電話 | 0551-45-6825 |
ランチ | 11:30~14:00(L.O.13:30) |
部屋ディナー | 土曜日のみ、前日15:00までに予約 |
定休日 | 第1と第3火曜、毎週水曜と木曜 |
HP | https://www.insutagram.com/kaikomakitchen/ |
旧甲州街道勝沼宿は江戸前期に開設された宿場町で、甲州盆地の江戸からの入口にあたり、往時は本陣1軒、脇本陣2軒、問屋場1軒、旅籠23軒があり栄えました。残念ながら現在は街道沿いにその面影は少なく、葡萄畑と販売所が目立ちます。
当宿は周囲の町並みとはひと味違う風情の落ち着いた佇まいで、街道沿いに黒板塀が設けられた内の木立の奥にひっそりと建っています。料亭かと感じさせる雰囲気があり、かといって構えず地味な造りです。駐車場もさりげなく配置れ、目立たなさは徹底しています。
塀の中ほどに切られた入口の奥正面がフロント棟の主屋でラウンジ兼レストランが設けら南斜面をうまく生かした地下に小さな資料展示室が設けられています。
南奥に蔵を改装した2階建てに4室、カツラの大木とカリンの樹のある中庭を挟んで街道側に平屋建ての3室の計7室のこぢんまりした宿です。蔵の前に設けられた葡萄棚の下のデッキテラスから眺める葡萄畑の広がる景色も心地良いです。
建物は、大正から昭和にかけて法学者として、また戦後衆議院議長や国務大臣として活躍した樋貝詮三氏の生家を改装し、宿泊棟としています。宿は1983年に創業し、来年で40年とのこと。内部は19世紀建築の古民家にアンティーク家具をしつらえた、和洋折衷様式で落ちつきます。
B&Bのホテル形式で朝食が美味しいと評判で、スタッフの落ち着いた温かい応対も気持ちよく、リピーターが多いのもうなずけます。(東京都・正会員 M.A)
住所 | 山梨県甲州市勝沼町勝沼3284 |
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電話 | 0553-39-8522 |
宿泊 | 1泊朝食付 大人5,000円~、小人4,500円~(税抜) |
部屋 | 7室 駐車場 9台(無料) |
駐車場 | 9台(無料) |
築約100年の蔵を改装、フランス料理をベースにしている洋食屋さんです。オーナーシェフの小池さんは、10年間、長野県軽井沢町で飲食の仕事に携わった経験を生かし、9年前に地元長野市に戻り2020年10月にお店をオープンされました。
料理には長野市街地から約12㎞北西にある飯綱高原の自家菜園で採れた手づくり野菜を使用しています。
店舗として改装したのは、米や肥料を貯蔵する蔵。天井が高く広々とした空間が特徴です。建物は土台部分に石を2段積み上げた構造で、これは近くを流れる川が氾濫した場合に備え、水に浸かることを考慮したつくりとのこと。蔵戸や2階に上がる階段もtとうじのまま残し、外観もあまり手を加えず当初の趣のまま路地の景観の一部となっています。
レストラン入り口にはお花屋さんが併設されており、色彩豊かな花がシンプルな蔵の空間を飾っています。
JR長野駅から徒歩10分。大通りから1本入ったお店のある路地にはところどころ明治・大正・昭和期の名残もみられます。
この春、町並みの散策を兼ねて信州の旬の野菜を召し上がってはいかがでしょうか。(東京都 正会員Y.Y.)
住所 | 長野県長野市大字南長野新田町1541 |
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電話 | 026-217-1487 |
メニュー | おすすめ:季節ごとのプレートランチ |
定休 | 日曜日・第1.3月曜日(祝日営業) |
民家フォーラム2019を行った佐渡島には、ガシマ>シネマという名で定員20名の小さな映画館があります。その映画館を運営する堀田さんは、佐渡島に住む友人家族の暮らし方に影響を受け、今から10年前に家族で島に移住して来た方です。
しかし堀田さんは移住してすぐに映画館を始めたわけではなく、移住当時この場所(相川上京町)は「のら犬カフェ」という飲食店で、その店主との交流やカフェ移転の経緯を経て「東京の映画館で働いてきたキャリアを活かしてみよう!」と始めた映画館でした。
堀田さんは、映画館を始める際に念頭に置いたことがありました。
・映画を通じてリフレッシュできる場を提供したい。
・都市部でなくても映画館を運営できるかどうか試してみたい。
・ここ佐渡島に見合う鑑賞料金の設定やサービスを提供したい。
ガシマシネマは、佐渡金山鉱山長の旧住宅を堀田さんご夫妻がほぼDIYで改装したカフェ併設」の映画館となり、手作りカレーやソフトドリンクも好評で、くつろげる人気スポットになっています。
また最近では、雨漏りした屋根の改修を、自力とクラウドファンティングで維持していて、今後も古い建物を直しながら改良していく予定です。(新潟県・正会員 T.K)
住所 | 新潟県佐渡市相川上京町11 |
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電話 | 0259-67-7644 |
営業時間 | 9:30~17:00(飲食だけのご利用可) 映画上映時間 10:00~と14:00~ |
定休日 | 月、火曜日 |
メール | ashimacinema@gmail.com |
HP | https://gashimacinema.info/ |
豊かな自然と伝統文化が残る島、佐渡。日本家屋の良さを活かして店舗にリノベーションした「蕎麦 茂左衛門」は両津港からほど近い佐渡の田園風景の中にあります。主屋は昭和35年(1960年)に建築されたもので大黒柱や横架材にケヤキが使われており、敷地内には土蔵も残っています。建築当時の当主は木挽きを生業としていたそうです。
佐渡伝統の「ぶっかけ蕎麦」は、あご出汁の蕎麦つゆをかけて、「もり蕎麦」には江戸前の濃くて辛い蕎麦つゆをつけて、それぞれに美味しい十割蕎麦を。山のもの海のもの、佐渡で採れる旬の食材に、こだわりの自家製調味料。Uターンでお店を始めたご夫婦の作る料理をゆっくり美味しくいただける空間です。
現在築60年を迎え、変わるもの変わらないものを、これからも見守り続けていく、そんな温かさを感じる建物で、佐渡の良さを発信されている店主ご夫妻です。
(東京都・正会員 Y.Y.)
住所 | 新潟県佐渡市新穂田野沢163-1 |
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電話 | 0259-67-7972(完全予約制) |
営業時間 | 11:30~13:30 LO 17:00~ 21:00 LO |
メニュー | 昼:蕎麦セット、他コース料理もあります |
定休日 | 日曜日(3連休の場合は日曜営業の月曜休み) |
HP | http://sobamozem.com/content/ |