

小江戸・川越とおばれ、観光客で賑わっている蔵通りを横道に入った住宅街に、一軒の長屋がある。築100年の民家をリノヴェーションしたゲストハウス、カフェ&バー「ちゃぶだい」。
ちゃぶだいを運営する戎谷さん、西村さん、田中さんの3人は、川越市が2018年に開催した「まちづくりキャンプ」を通じて知り合い。3人に共通していたのは川越でゲストハウスをしたいとの思いだった。1年かけて探し、見つかったのが、かって肥料問屋だった築100年の民家。大家さんはとても理解があり、自由になんでもしてもいいよと言ってくれたそうで、古民家の良さを生かしながらワークショップなどをして自分たちの手でリノベーションをし、2019年に「ちゃぶだい」をオープン
1階の一部と 階がゲストハウス,現在は1 階の客室が「書ー店街」という本屋スペース。中庭には「眼鏡工房」やレンタルスペース小屋がある。農家直売のマーケットや朝ヨガ などのイベントも開催。「ちゃぶだ い」は多様な機能がある複合施設に なり、地域の人と川越に来た地域外 の人が交わるハブとなっている。 ゲストハウスには、古民家でゆっ くりしたい人や、「ちゃぶだい」を目 的で来る人も多いそうだ。運営ス タッフやその場にいる人びとと自然 に交流ができるのも魅力。
民家の落ち着いた雰囲気と、和 やかな空気がとても居心地がいい「ちゃぶだい」を訪れると、スタッ フのみなさんが満面の笑顔で迎えて くれる。運営者の1人である西村さ んは、いつもきさ くに声をかけてく れ、川越情報をた くさん教えてくれる。「ちゃぶだい」 の今後や川越をもっと楽しい街にし たいと、想いも語ってくれた。
こうしてひとつでも多くの民家が 次世代に受け継がれることを願う。
(東京都・友の会会員 S.N.)
住所 | 埼玉県川越市三久保町1-14 |
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電話 | 049-214-1617 |
カフェ・バー | 定休日 毎週水曜日 |
宿 泊 | ドミトリー(相部屋)と個室の2種 |
HP | https://www.chabudai-kawagoe.com/ |
鶴岡八幡宮へ続く参道、若宮大路の二の鳥居前を、ひっそりとした路 地に数歩入る。突然昭和初期にタイ ムスリップしたような、時代がかっ た灰色の建物の一角に、パリの下町 を思わせるこのビストロがある。 かつて氷店と店主の住まいだった ところをリノベーションした店舗は、 ドアを開けると鉄の階段が現れ、隠 れ家を訪ねる雰囲気にワクワク感が 高まる。踊り場の壁には、氷倉庫に 使われていた分厚いステンレス扉が 嵌め込まれている。
店内は古い梁と 柱が現され、アンティーク家具の持 つ深い趣きに何とも落ち着く。 オーナーシェフにお話を聞くと、 自ら壁の左官塗りやタイル張りをし て、奥様とそのご家族が集めたり 手造りした家具を活かしたとのこと。 随所に展示されたアートも、ご縁の できた作家たちとの思い出ある作品 ばかりで、隅々まで愛とセンスあふ れる店ができてきたのだ
お客様の過半が地元のリピーター なのもうなずける。またランチが 1650 円のプリフィクスという、 観光地鎌倉では大変お手頃な設定で、 本格フレンチを気軽にいただけるの も嬉しい。 お話の最後に「もしかすると今年 の年末でこの建物が取り壊しになる かもしれない」という衝撃的な言葉 があった。コロナ禍でまだ先が読め ないが、今後のウィウィの命運は ……? こんな魅力あるお店が消え てしまうなど、考えられない。 ぜひとも多くの方が、一度足を運 んでくださることを願っている。
(神奈川県・友の会会員 K.N.)
住所 | 神奈川県鎌倉市小町1-5-18 |
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電話 | 0467-81-3352 |
交通 | JR鎌倉駅東口 徒歩2分 | 定休日 | 水曜日 |
営業時間 | ランチ11:30~14:00(L.O.)、ディナー17:00~21:00(L.O.) ※変更の場合もあり、ご確認ください。 |
東京への通勤圏でありながら、自然に恵まれた埼玉県飯能市。古くから林業や織物の町として栄えていたため、市内には蔵や西洋風の建物が点在しています。
果物店を営むご主人と奥様は、敷地内にある蔵2棟を再生し、結婚以来30年間温め続け、夢だったカフェを2019 年2月にオープンしました。この蔵は、店主の曾祖父が明治中頃に、繭の中卸しのために利用していたそうです。
蔵の構造を活かし、カフェのカウンターには山野草などをセンス良く飾るなど、すっきりしたデザインが心地よい空間になっています。ご夫妻との会話は、気軽で楽しく弾み、時間が過ぎるのを忘れてしまいがちです。
果物は市場から直に仕入れているので、旬で新鮮な果物をたっぷり使った自家製のこだわりスイーツはおいしく、「果の華氷こおり」は果物を凍らて削る滅多にないかき氷で、冬の季節も人気のあるメニューです。
2階では、ご主人が長年の趣味である金継ぎを週1回教えています。骨董、盆栽なども好きなご主人は、もう1棟の蔵の中に骨董、外には盆栽を置き、好きな方には見ていただいていて、購入することもできるそうです。
お店から数分歩くと有名な大河原があり、川遊びやキャンプができます。
(東京都・正会員 Y.S.)
住所 | 〒357-0031 埼玉県飯能市山手町4-1 |
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電話 | 070-3230-2385 |
アクセス | 西武池袋線 飯能駅から徒歩9分 |
営業日 | 火、水、金、土曜日 営業時間:11:30~18:00 |
練馬駅西口から数分の場所にあるこの店は、ひっそりと落ち着いた構えの知る人ぞ知る蕎麦の名店である。
店名は「176」(郵便番号および住所から転用とのこと)といい、モダンなデザインの袖看板がさりげなくかかるが見落としそうである。店前 の植え込みの緑のしつらえから、周辺とはひと味違う雰囲気が漂う。
店構えはかなりおさえたさりげない佇まいで、京町家風の割烹とでも言おうか。長暖簾の色が時々変わるようで、今日の暖簾は何色と通うのも違った楽しみである。
中に入るとビルの階とは思えないゆったりと奥行きのある構成で、町家とも農家ともつかない。古材と土壁風の仕上げで構成された重厚な
つくりであるが、どこか粋で明るさもほどよい。入った左手は店主が作 業する蕎麦打ち場。その前にでんと設えられた分厚い古材利用のカウンター席でまずお酒から始めるのも良し、右手のゆったりしたテーブル席、奥の板座敷で落ち着いて蕎麦をすするも良し、とにかく居心地がよく、つい長居をしてしまう店である。
昼は天丼付きのそば切りが店のお すすめ。夜は蕎麦目当ての客もさる ことながら、酒、肴と居心地の良い場所を目当てに静かに一杯飲む客も 多いとのこと。開店から20年、その間ほとんどつくりは変わらず、手入れや掃除などよく気が配られて、通ごのみの雰囲気を醸す店である。
(東京都・正会員 T.A.)
住所 | 〒176-0001東京都練馬区練馬1-7-6 |
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電話 | 03-5999-1765 |
アクセス | 西武池袋線・都営大江戸線練馬駅から徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~15:00,17:00~23:00 |
定休日 | 水曜日 |
メニュー | せいろ750円、天せいろ1,050円 お蕎麦天丼セット1,650円 |
那須インターから那須街道を那須湯本方面へ上がっていくと、一軒茶屋交差点の手前(右手)に荘厳な佇まいの「瑞穂蔵」が見えてきます。
中に入ると、吹き抜けに重なり合う巨大で重厚な梁と桁に、しばし圧倒されます。県内の市貝町にあった築およそ130年の酒蔵を15年前に移築再生した食事処です。
ここでは窯で炊いたおいしいお米(那須地域のコシヒカリは冷涼な気候とアルカリ質に富んだ清らかな水で育てられていて絶品)、こだわりの手作り味噌、地産地消の新鮮な野菜、鹿の湯温泉の源泉を使った温泉卵など、昔ながらの日本の味を堪能できます。
縁側からは、今でも実際に米粉などを挽くのに使用されているという水車を眺めることもできます。那須高原へお出かけの際は、ぜひ、ランチで立ち寄りたいお店です。
(栃木県・正会員 T.S.)
住 所 | 栃木県那須郡那須町湯本新林357-32 |
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電話 | 0287-76-7550 |
アクセス | 東北自動車道那須インターより 県道17号線を那須湯本方面へ直進(15分) |
メニュー | 田舎膳1,300円、那須産豚ロースカツ膳1,900円他 |
定休日 | なし(冬季期間不定休) |
HP | http://www.mizuhokura.com/lunch/ |