会津地方の「中門造り」民家(L型の屋根で入口部分が出張った民家)。特に正面中門部分の「かぶと造り」は美しい。骨組は多雪地域であるため全体に太く整然と組まれていて、特に小屋組はヨキやチョウナ加工による大口径の材で組まれていて、その豪壮な構造が見事である。大切に維持されてきたのでほとんど傷みが無いのも嬉しい。

南北に長い建物で、約2間置きに東西方向の鴨居の上の耐力壁が、構造的に優れた建物です。蚕農家だった為2階を有し外廊下よりの出入りが特徴で、入って部屋の奥の障子を開けば、吹抜けの床の間部屋神棚の部屋などと、一体感の有る空間を持つ。

かつて肥料の販売や問屋を営んでいた家。主屋茶の間などの上部が梁現わしの吹き抜けとなっており、魅力的な梁組が見える。土蔵は、肥料関係の倉庫（土蔵１）、書庫（土蔵２）として利用されていた。

大黒柱は２００㎜角のスギ、その他の柱は１００㎜角のスギ。差し鴨居はマツ。大きな欠損はない。使いやすい規模で、伝統的民家としての素朴な再生がおすすめ。風情のある板戸は魅力的。その他の建具も再利用可。