木製格子のガラス戸や細い組子の障子、木彫りの欄間など手の込んだ木製建具が多数アリ。屋根は瓦葺で美しい寄棟の大屋根である。柱、差し鴨居は特に立派で、昔のままの座敷が残っている。主要座敷の天井は2m70cmと高い。
※同所にA240702の蔵あり

2階はむき出しの太い梁が走る。荒い豪快な接手も面白い。蔵の重厚な良さと前面の開口部が広いため、特に店舗、アトリエ、ギャラリーとして大変有効である。また前面の3本の太い柱が並ぶ外回廊もデザインの一部として使える。
木材は、母屋（※A240701）と同様に初代当主が地元の山で育てた材を使用。太くしっかりしている。

柱はスギ120mm角。近在で新築後、現在地に移築された。玄関部分は、その際増築されている。三重の出し桁造り、その下に銅板葺きの下屋庇が四方を廻る重厚な造り。小屋組みは6段組みの和小屋組み。石場建ての基礎で、床高は720㎜とやや高い。空家期間があるが手入れは良好。

大黒柱は120mm角のマツ。出し桁造りの屋根が特徴。1階、2階とも、4.5畳、6畳の和室2部屋をコの字に廊下が取り囲む形。2階の和室2部屋には、それぞれ床の間が付く。建坪が小さいため、都市部への移築も検討できる。

大黒柱は240mm角のケヤキ。小屋組みにはマツ丸太が使われ、良質な材料を組み上げている。建具には、組子が多く使われている。改修部分はあるが、古材と違和感なく修繕されている。玄関西和室に雨漏りあり。敷地内石蔵も引き取り可。