JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
櫓(突き上げ屋根)を持つ、甲州地方の養蚕農家の再生。地盤の関係でベタ基礎を採用しているが、元の基礎石を基礎内に据えている。かつて茅葺き屋根を支えていたサス丸太はそのまま意匠として残し、新たに合掌材を組むことで外見上は移築前と変わらないようにした。構造耐力は壁に持たせている。櫓は排煙窓として再利用。土壁塗りワークショップには多くの人が参加した。

若い建築主の希望で、外観も内観も伝統的な民家のスタイルとしている。既存の部材を出来る限り生かし、雨漏りの傷みや、土台、柱の傷みを丁寧に改修。土間の煤けた天井もそのまま残した。使用した材は埋木に至るまで全て無垢材か古材としている。また藁床の畳や左官仕上げの壁など自然素材にもこだわっている。手間を掛けることでかつての面影を取り戻した。

昭和2年頃に移築された建物。近隣の商店街がた雁木通りとして再開発されることから、空き家になる予定だったこの家を活かしたいと、レトロ感を活かして再生することに。再生にあたり、現状のままの修繕と予算を掛けないことを心がけ、水回りのみ新規設備とした。大正~昭和初期のマジョリカタイルは洗面所のワンポイントとなっている。建具で寒さ対策、天井は洗出しにて既存利用。

活用できていなかった建物を宿泊施設として再生。浸水リスクのあるエリアのため、基礎改修と嵩上げを目的としているが、座敷などで既存の良さを残しつつ、現代的な機能も兼ね備えた改修とした。玄関土間は天井をはがして根太をあらわし、屋根裏スペースに秘密基地のような空間を造るなど、宿泊者が楽しく快適に過ごせる空間や水回りの意匠にもこだわった。

創建当時の姿に戻すため、幾度かの改修による合板仕上は全て撤去。分かれていた部屋はかつての広い空間に戻し、梁組を見せて吹き抜けに。再生には国産の無垢のヒノキ、新潟県産スギ材を適所に使用、壁は土壁補修の上漆喰仕上とした。外壁は遮熱シートを使用し、空気層を設け、スギ材の鎧張りとしている。現代の快適さを保ちつつ、かつての職人の手仕事が見える再生となった。
