

JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
既存2/3を減築、コンパクトな造りに。できた余白には京都の職人による庭を設け、随所に庭を鑑賞するための工夫がされている。なるべく日本古来の技法を使ってほしい、元の雰囲気を残したいという建築主の希望から、既存欄間や柱をそのまま使用し、京都の寺や旅館を参考にした技術を取り入れた。玄関は庭を見られるようガラス張りにするなど、新しさと伝統が心地よく織り交じる家となった。
リモートワークになった若いご夫婦が移住するための再生。地棟には、明治39年建築であること、大工棟梁は当時の地域を代表する名棟梁の名が墨書きされていた。建築主の要望に沿って、米原の寒さに耐えられるように断熱処理を施し、また極力自然素材を使った再生を心がけた。施工に付き物の接着剤については膠を使用している。
建築主が帰郷し、実家をアトリエ兼住まいとするための再生。高度成長期の改修である新建材が主に使用され、蟻害や雨漏りのあった、ほぼ未使用の増築離れを解体切除。建築当時のまま古色を帯び、雰囲気のある主屋を生かした。丸太の化粧梁などは積極的に残し、居間や寝室の床には地元産ヒノキの無垢材を使用している。
故郷の生家で第2の人生を始めるための再生。部屋を細かく仕切っていた壁を取り払い、軽く建具で仕切り直すことで、フロアー全体を一つの空間とした。また、一部天井を無くし小屋裏を空間に取り入れることで開放感をもたせている。建築当初の那智石のパターン貼り等は、当時の家の記憶として生かした。外観は出格子を町家風に設置し、周囲の歴史ある景観に馴染ませている。
若い建築主の希望で、外観も内観も伝統的な民家のスタイルとしている。既存の部材を出来る限り生かし、雨漏りの傷みや、土台、柱の傷みを丁寧に改修。土間の煤けた天井もそのまま残した。使用した材は埋木に至るまで全て無垢材か古材としている。また藁床の畳や左官仕上げの壁など自然素材にもこだわっている。手間を掛けることでかつての面影を取り戻した。