

JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
湯沢市近郊の元農家の屋敷蔵を移築再生したプロジェクト。建主夫妻の希望は、構造体を維持しつつ、土壁漆喰の内部を踏襲し現代住宅の性能を確保すること。急傾斜地の造成に1年をかけ、解体した部材を現地で保管し、部材加工の上、鎌倉に移送して組立てた。基礎はRCベタ基礎とし、耐震等級2に近い数値を確保。断熱性能向上のため外壁に断熱壁を追加し、暖冷房システムは半地下空間を利用。特注タイルや銅の一文字葺き屋根など意匠にもこだわり、建築主は日本の風土文化を残せたことに満足されている。
風光明媚な奥多摩の地に160年建ち続けた民家であるが、建主の希望により、快適で安心な住まいへ再生する事となった。主な内容は、1.全ての座敷をフローリングにし、現代の生活様式へ 2.安心して住める耐震補強 3.快適に住める断熱及び新設備工事 4.木を生かした内装である。基礎補強工事として、全ての石場立てのまわりを鉄筋コンクリートで補強し、さらにヒバ材で柱と柱の足元を繋ぐ足固めを行った。外部に面した建具は木製に戻し、防犯ペアガラスを入れている。内壁は質感のある珪藻土塗りで、外側の壁と天井にはサーモウールを敷き詰めた。再びよみがえった玄関の土間は、昔の豪快な梁を見せ、客人との応待スペース、農作業休けい場など多目的に使用されている。
帰郷して暮らすために現地再生。半分程度を全面改修した。不要な間仕切りを撤去し間取りを変更。居室部分の抜ける壁を撤去し間取りを変えて開放的な空間にした。天井を取り払って梁が見えるようにした。建築主も積極的に作業を手伝っていただき、細かい部分まで深く理解していただいた。
青梅にある築120年の民家を子供の成長を願って現地再生。建物全体の地震対策を行い、内装を一新した約35畳の広さのある新しいリビングダイニングを可能にするため、210Φの新丸柱を構造上必要な個所に3本設置し、既存梁は付け梁で補強し、既存差鴨居は一部天井裏に移動し梁として再利用した。
櫓(突き上げ屋根)を持つ、甲州地方の養蚕農家の再生。地盤の関係でベタ基礎を採用しているが、元の基礎石を基礎内に据えている。かつて茅葺き屋根を支えていたサス丸太はそのまま意匠として残し、新たに合掌材を組むことで外見上は移築前と変わらないようにした。構造耐力は壁に持たせている。櫓は排煙窓として再利用。土壁塗りワークショップには多くの人が参加した。