JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
この旅館は2016年に火災で宿泊施設を全焼しており、この地に合う古民家風の宿として再建することとなった。日本の秘湯らしく、全国のみならず海外からもお客様に来ていただける旅館を目指した。温泉施設の機能性を重視しながら、玄関ホールの柱、梁組、各部屋にも古材をふんだんに使い全体を懐かしい雰囲気に。玄関の車寄せは茅葺きとし、旅館のイメージを強く作り出している。
古いものが好きな建築主の要望で、意匠的に古材を使用。介護のため、祖母の部屋周辺に、トイレ、浴室等の水回りを配置。家族が一日のほとんどを過ごすリビング・ダイニングは、壁で仕切られていた古い座敷2間を広々とした一つの部屋に変更した。既存古材の柱・梁を残しつつ、新たに古材梁を入れたことで落ち着きのある空間となった。
85年前に先代が土地と共に購入した洋風の家。建主のご希望で民家再生として設計を進めていたが、二世帯住宅のため2階部分を増築する必要があり、新築工事として申請せざるをえなくなった。しかし主要な間取りは残し、昔の丸太梁、ステンドグラス、天井板、床板を再利用した。無垢材の造作は全て現場での手刻みとした。
築250年の越前民家の古材を温泉宿のロビーの内装に使用。材を一本一本をよく観察し腐敗の有無や耐久性を確かめたのちに洗浄して選別、手作業にて組み立てた。囲炉裏の煙りに燻されてきた古材の陰影を生む効果により、趣きと重みを感じられるロビーとなった。
古材は、過去に手仕事で製材され煙でいぶされた添加物の無い理想の建材。新築にも自然素材を追い求めた結果、「心と体にやさしい、古材を使った快適な生活空間」が実現した。152年前に製材された牛梁とケヤキの大黒柱を構造材として使用し、古材が主役の民家となっている。