JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
江戸期には近くに川が流れ、木材の入手がし易かったという土地柄、とても立派な材料が使用されている民家だが、長年の老朽化と昭和の改修・増築により住みづらくなり、近接する付属建物で暮らしていた。蟻害や腐朽、地盤の不同沈下などを根本から直す工事が行われた。不要な増築部を撤去、生活導線を確保し、住みよい民家と生まれ変わった。

応急的に手を入れ続けてきた家を永く残る家として再生。土間は家を訪れた人を迎える顔として残すことに。南側の通し間も民家の魅力として残した。民家ならではの構造として伝統工法で耐力を上げるため、荒壁パネルと仕口ダンパーで補強。水廻り、居間、寝室の生活空間をまとめて断熱区画とし寒さを解消した。キッチンは天窓で日照を得るようにした。

この旅館は2016年に火災で宿泊施設を全焼しており、この地に合う古民家風の宿として再建することとなった。日本の秘湯らしく、全国のみならず海外からもお客様に来ていただける旅館を目指した。温泉施設の機能性を重視しながら、玄関ホールの柱、梁組、各部屋にも古材をふんだんに使い全体を懐かしい雰囲気に。玄関の車寄せは茅葺きとし、旅館のイメージを強く作り出している。

1階は水廻りを移動させ階段を付け替えた。和室畳室の一部を杉板張りに。寝室に現しの丸太梁を見せ磨いてオイルフィニッシュ仕上とした。リビングの床は生き節のある杉板を張ることで、生まれてくる赤ちゃんの手足にも優しい仕上とした。キッチンダクトの排気が梁や天井高のため露出となったが、スパイラルダクトを使用することで美観を損なうことなく仕上げた。

床の間と仏間は、朽ちた床板や仏壇の修復を行うことで、元の状態を再現。日常的に過ごすLDKには、薪ストーブを設置し、ぬくもりを感じられるようにした。茅葺き屋根の一部が見えるようにとの建築主の要望から、家に入り玄関上の天井を振り向き見上げると、茅葺き屋根がのぞける施工にしている。
