JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
元々悉皆屋さん、その後仕出し屋さんとして営業されていた町家を改修。幸い主屋は建築当時の状態がほぼそのままだったので、できるだけ元の形を残すこととした。真壁を復元、腐朽箇所は伝統的な継ぎ手で修復、天井板や地板、床板などは灰汁洗いを施した。ハシリニワ(土間)にはあえて床を組まず、キッチンも土間に据えた。また、離れに浴室・洗面を配置することで、座敷からの景観を損ねることなく再生することができた。

先代がメリヤス店を営んでおり、1階の多くは改装されていた。引き継いだ建築主が専用住宅として、建築当時(ツシ二階を持つことから明治以前と考察)の姿へと再生。住環境の近代化と構造体の健全化を図った。再生にあたり、建築当時の間取りを既存構造体から推測。改変されていた「正面」については、残っていた写真を元に解体後の古材調査を踏まえたうえで忠実に再生した。

父親の生家で、日常的には利用していなかった住まいだが、今後父が戻ってきても安心して過ごせるようにと再生。快適に過ごすための内部の改修と、いままで無かった空調を設置。細かく仕切られていた部屋を仕切りを取って大きなLDとしたり、その一角にはリラックスできる畳敷の場所も設けている。茅葺き屋根を今後維持していけるかが課題となっている。

伏見の最も繁華な場所にあり、周辺はビル化が進み町家が減少。この地域の町家は比較的間口が広くおおらかで、当家もその特徴を持つ(間口4.5間)。当主は長く京都を離れていたが、退職後に親族の思いも込めて復元改修を行うことに。改修に先立ち景観重要建造物の指定を受け、建てられた当初の状態に戻すことを第一に考え再生。現在は当主や地域の交流の場として、緩やかに活用されている。

修理しながら丁寧に住んできた家。以前は濡れ縁を通らなければ行けなかったトイレ、浴室を廊下から直接アクセスできるようにした。火袋(高窓)に蓋をしていたため1階への採光がほとんどできなかったが、断熱対策をしたうえで新たに天窓を設置し明るい室内に。京都の地勢を活かし、和室南窓からリビング北窓を引違い窓として風が効率よく流れるよう配慮した。天井裏に収納を増やしスッキリ暮らせる工夫もされている。
