

JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
改修前は田の字のレイアウトだったが、和室一室を残し間仕切りを取り払ったワンルームに変更。ストーブにもマッチする明るく広々とした団らんスペースとなった。かつての「ツシ(小屋裏)」を生かし、収納スペースやロフトとして活用。1階との間の低い天井を取り払うことで、解放感が出た。また、基礎から除湿コンクリートの打ち直しも行い、快適さにもこだわっている。
応急的に手を入れ続けてきた家を永く残る家として再生。土間は家を訪れた人を迎える顔として残すことに。南側の通し間も民家の魅力として残した。民家ならではの構造として伝統工法で耐力を上げるため、荒壁パネルと仕口ダンパーで補強。水廻り、居間、寝室の生活空間をまとめて断熱区画とし寒さを解消した。キッチンは天窓で日照を得るようにした。
明治、大正、昭和と生活に合わせて増改築をくり返し大切にされてきた家。近年、この家の風情が評判になっていたこともあり、より過ごしやすい家として再生。寒さや暗さを解消し生活導線を確保、バリアフリー化をしつつ、コミュニケーションの場となっている縁側や美しい障子など、従来の良さをそのまま残した。雰囲気を損なわないよう、建具は樹脂内窓と既存建具を併用し断熱を確保している。
築250年の越前民家の古材を温泉宿のロビーの内装に使用。材を一本一本をよく観察し腐敗の有無や耐久性を確かめたのちに洗浄して選別、手作業にて組み立てた。囲炉裏の煙りに燻されてきた古材の陰影を生む効果により、趣きと重みを感じられるロビーとなった。
100年余前この場所に移築された民家。屋根、床下劣化などを改善したいとJMRAへご相談があった。所有者は耐震補強への考えにも揺れたが、東南海地震でも大きな被害が無かった家であり、その実績から伝統的な構造を活かした再生をすることをお勧めした。結果として、未来に貴重な伝統構法を引き継ぐ民家となった。