JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
元商家で、なまこ壁などの特徴的なデザインが地域でも存在感を放つ建物だった。25年の空き家期間もあり相当老朽化していたが、再生可能な住居棟を宿泊施設として再生。土地建物は賃貸。耐震補強と屋根瓦の全葺き替え(瓦は再利用)などを行った。玄関戸のデザインは地域の旧映画館の写しとしたり、迫力ある丸太梁を活かした屋根裏の寝室など、随所に楽しさのある建物となっている。

再生にあたって、蟻害の処理、床下水捌けの改善、耐震強化、生活導線の確保を行った。玄関からすぐの納戸は、あらわしの梁を活かした吹き抜けのリビングに。梁の仕上げは、水に沈めて柔らかくした皮をはぐ「磨き丸太」で仕上げている。和室は、窓を大きく取るため壁の耐震を強化することで、庭が見え開放的な部屋となった。

建て替えの話を進めていた際に東日本大震災が発生。その影響は大きく、大切な家を壊してはいけないという思いから耐震改修をして残していく方向に変更。床と屋根の張り替え、基礎を直し、欄間や柱、建具はそのままとした。リビングは、いくつかの部屋をまとめ広々とした空間に。庭を望む洗面台は建築主が店舗で見たものを参考に取り入れた。


地域の人や家族とともに建て維持してきた家を、屋根の葺き替えに伴い、耐震も含め見直し。再生にあたっては、縁側の先にあったお手洗いを利用しやすい場所へ移動、台所を新築するなど水回りを使いやすく。細工が美しい欄間をそのまま生かすため、アクリル板を取り付けて冷暖房の効率を上げる工夫をした。また、南北に開口部を設けたことにより、夏の北風を効率よく通す工夫も。

江戸末期に建てられた民家。建築当初からの本瓦は、所々に割れやズレが生じていたため、より軽い引掛け桟瓦に変更。代々大切に修復をしながら使用してきたため、柱梁は玄関先の桁を1か所取り換えたのみ。鴨居が下がり開閉困難になっていた襖建具や、隙間風による寒さ、水回りの改善などを行うにとどめた。
