JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
古い民家に付き物の寒い、暗い、汚いというイメージを払拭することを目指した。全体に断熱処理を施し、開口部は2重に、サッシはペアガラスに。壁はできる限り漆喰と漆喰色でまとめ、窓は大きくとり、明るく清潔感のあるイメージに。これからの百年を考え、自然の恩恵を生かした再生も心掛けた。
建物をコの字型に配置し、中庭に向け全面に開口部を設けることで、外部からの視線に気兼ねすることなく採光できる。また、母屋(築130年)と蔵(築100年)を繋ぐ空間に玄関を配置し、母屋側を生活空間、土蔵側をゲストスペースとして位置づけることで、一体感を保ちつつ音や光を分離できた。
天然スレート葺きの屋根が美しい家。外の離れに配置されていた水回りを、既存建物の収納面積を減らすことで、建物内に集約。湿気で傷んでいた床は、腐った部分のみを取り換え防湿と併せ補強をおこなった。養蚕業の名残で低かった天井は吹き抜けとし、開放的な空間とした。