

JMRA登録事業者が設計・施工した民家再生事例を紹介します。
佐賀県武雄市にあった酒蔵2棟(築約100~150年)と有田町にあった米蔵、庄屋の納屋(築約80年)を移築、空調などを電気エネルギーに頼らないエコなアンテナ工場となった。建築主の意向で、構造材以外にも壁土など再利用できるものはできるだけ利用している。第17回佐賀市景観賞受賞。
正面を入母屋造、背面を切妻造とした町家。江戸時代の造り酒屋の様子を今に伝える。1階の一部を展示室、2階をブックカフェとした。改修にあたっては、地域の素材である杉板張りにするなど、雰囲気を壊さない自然素材の空間作りを提案した。主屋と土蔵は国登録有形文化財に指定されている。
再生前は茅葺きのくど造りの家。葺き手の減少による維持管理の心配から瓦屋根には変わったが、骨太の木組みや、長い年月で燻された柱や梁の独自の風合いはそのまま生かした。家を分断していた土間を板張りにし、高齢者にも住みやすく再生された。
おおきなシロアリ被害のある民家であったが、建築主の家への強い思いで再生。シロアリ退治・対策のほか、地盤への集中荷重を少なくする、土壁の既存部・改修部の強度さをなくす等をおこなった。さらに、仕上げ材に自然素材を使うことで、快適な民家へと生まれ変わった。