民家再生事例 民家再生事例

民家再生事例

H邸 ,

2棟長屋の織屋建で、再生前は場当たり的増改築が繰り返され建築当時の面影はなかった。構造体に損傷は少なく、健全化したうえで意匠としてできる限りあらわしにし真壁仕上に。京町家の基本的な間取りを優先せず、建築主の要望で正面からアプローチできる間取りに変更しているが、周囲の町家に馴染むファサードとなっている。吹き抜けの天窓や熱伝導率で優れる竹材を採用した床で伝統建築特有の暗さ、寒さを解消している。

正直なところ、再生前は子どもと住むには難しいのではないかと思っていました。しかし、全体の設計・意匠を凝らしていただいたお陰で、安全に快適に家族と過ごすことができています。すーっと柔らかな風が通り抜け、天窓からは陽が注ぎ、古い木材と新しい木材の間を土壁がしっかり取り持ち、漆喰が美しく、庭の木々の移ろいを息子も感じ取ったのか、今では家のことが誰よりも好きなようです。(中略)息子の成長とともに家の変化も楽しみに過ごせていけたらと思っています。(建築主より)

再生後 内観1
再生後 内観2
奨励賞No. 200327
完成年 2020年2月
所在地 京都府京都市
設計 アラキ工務店
施工 アラキ工務店
構造規模 木造2階建
敷地面積 113.27m2
1階面積 80.20m2
2階面積 46.27m2(土蔵)
延床面積 113.27m2
主な外部仕上げ 屋根:淡路産いぶし和型瓦葺き  
壁:漆喰、杉鎧壁
建具:桧製木製建具、一部古建具再利用
主な内部仕上げ 天井:大和天井、竿縁天井
壁:漆喰、土中塗り仕上、和紙貼り
床:畳敷き、竹フローリング、ピーラー縁甲板
建具:障子、襖、舞良戸他